EV4の次はEV8です
コートの都合上、EV4とEV8はセットで行われることが多い種目ではありますが、リールが違うとまったく違う競技になります
キャスティングスポーツではスピニングリールを使った的当ては、プラグのたらしを長くして、クルリンパと振り子を振ったような投げ方をするのが一般的です
なぜこんな投げ方なのかは知りませんが、やってみると少ない力で軽いプラグを投げることができとてもよく考えられた投げ方だと思います
一方マルチプライヤーリールを使って、このクルリンパ(ペンデュラムキャストといいます)をすると、まず間違いなくスプールから糸がもしゃもしゃに飛び出すバックラッシュをおこします
マルチリールはスプールの回転とプラグの飛んでいくスピードがいい関係でなければ投げられないんですね
というわけで、上からポイっと投げることになります
もちろんスピニングでもこの投げ方をする選手も少数います
スピニングの倍以上の重さの18gのプラグでスピニングの的当てよりもっと柔らかいロッドを使い的に当てるこの種目は一番魚釣りと同感覚な競技だと思います
ヨーロッパでは主に冷戦時代に西側と呼ばれた国でこのリールは一般的に使われていますが、東側ではあまり普及しなかったようで、EV8とEV9は圧倒的に西側の国が強いのが特徴でもあります
それでも、ここ数年で旧東側の国もどんどんこの種目に取り組み始めレベルはかなり上がってきているようです
日本選手はマルチリールを使った競技でここ数年ずっと結果を出しており、世界中のキャスターが認めるようになっています
そして、今回 この種目でついに我々日本チームが表彰台にあがり、国旗を掲げることになりました
予選はまだ雨が降り続くなかで行われ、EV4と同様かなり荒れ模様になりました
アメリカのスティーブ・レイジェフでさえ3つも外す展開になり、決勝は80ポイントまでのタイム差となりました
その中で日本の桜井選手が堂々と2位で予選通過です 3大会連続の決勝進出はもちろん日本選手では初めてのことです 首位通過のスイス マークス・シュワルツ(昨年のEV8世界チャンピオン)と90ポイントの同点でその差たったの1秒です すごいです
3位通過がドイツのオラフ・エーベリングでここまでが90ポイントです
4位通過は85ポイントでスイスのマークス・クラウスラー 5位はタイム差でアメリカのスティーブ・レイジェフ
日本ではフライキャスティングで有名ですが、彼がもっとも得意で世界チャンピオンを多く獲得しているのはこのEV8です スティーブはフライもプラグも遠投も的当てもスピニングもマルチもすべてをトップレベル投げるホントの世界一すごいキャスターなわけです
6位通過は80ポイントのタイム差でポーランドのウディック、7位がドイツのエリック・ケルテラー(2006年アイルランド大会のEV8チャンピオンです) 8位には初めて見た選手なのですが、ドイツから8,9種枠で出場していたヤン・ネウマン?という選手でした
細江選手も80ポイントでしたが、タイム差で無念の決勝進出ならずでした 悔しいですね
さてさて、前置きが長くなりましたが 決勝の桜井選手のキャストです
娘さんの見守るなか 慎重にポイントを重ね 2位のスティーブ・レイジェフと同点のタイム差で3位です
堂々の銅メダル獲得!
パチパチパチパチパチパチパチ ばんざーい ばんざーい ばんざーい
ちなみに優勝はスイスのマークス・シュワルツが95ポイントで2連覇しちゃいました